『塗膜・コーティング膜を制御するための塗布・乾燥技術の基礎とノウハウ』をテーマにセミナーを開催します
セミナーは終了しました
セミナー概要
● 日 時 2020年12月10日(木) 10:30~16:30
● 会 場 ※会場での開催は行いません
● 主 催 株式会社情報機構
● 講 師 河合 晃 教授
※詳細(申込み)は主催者ページをご覧ください。
https://johokiko.co.jp/seminar_chemical/AG201287.php
セミナー内容
セミナーポイント
近年、コーティング膜の塗布・乾燥プロセスは、処理能力の高さ、低コスト性などの観点から、主要な製造技術として用いられています。プロセスの高品位化および高速化は、生産効率の向上やコスト削減には不可欠な課題です。本講座では、表面エネルギー等の塗布乾燥の基礎に基づき、プロセスの本質を理解することで高品位化・高速化を考察することを目的とし、乾燥ムラなどの塗布乾燥におけるトラブルを解決する能力を養います。また、研究開発・トラブルフォローといった実務上での取り組み方について、豊富な実例を交えて解説します。尚、セミナーで紹介するデータの殆どは講師の研究室で取得したものです。その実例をふまえ、データの取得方法や解析ノウハウを含めて紹介します。
本講座を通じて、初心者にも分かりやすく、基礎から学んでいただけます。また、受講者が抱えている日々のトラブル相談にも応じます。
■受講後、習得できること:
・塗工液から乾燥までの一連のコーティングプロセスの習得
・トラブルへの対応能力
プログラム
1.塗布膜形成の基礎(基本原理を理解する)
・塗工液から塗布膜へ (液体から固体(膜)への変化とは)
・塗布膜の乾燥 (残留溶剤が膜の品質を決める)
・表面張力、粘性、溶解性パラメータ(濡れの基本パラメータ)
2.各種コーティングの原理とコントロールポイント
・ロールコーティングの基礎(塗膜内圧力分布と欠陥発生)
・ダイ・コンマ・マイクログラビアコーティング(高精度化のポイント)
・スピン、スリット、ディップ、バーコート、スプレー、インクジェット、ナノ粒子ペースト
・動的シミュレーション技術 (ノズル塗布、スピンコート、平坦化、ピンホール不良)
3.塗工液の濡れ制御(濡れの不確定要素を見極める)
・濡れのピンニング性とは(ピンニング効果を抑える)
・基板材質の差による濡れ(Cassie の式を使いこなす)
・基板の凹凸による濡れ(Wenzel の式を使いこなす)
・時間変化による濡れ(Newmanの式を使いこなす)
・疎水化と親水化(シランカップリング処理と酸素プラズマ処理)
・表面エネルギーと濡れ性(エネルギーで塗布現象を表す)
・Young の式により濡れ現象を理解する(濡れから塗布へ)
・接触角と濡れ/付着性の関係(Dupreの式)
・ウェット中の付着/浸透性を解析する(拡張係数S, 洗浄、気泡除去)
・拭き取り(動的濡れ性、ワイピング)
4.塗膜の乾燥メカニズムと高品質化(乾燥のツボを抑える)
・濃度差拡散(塗膜内の溶剤移動を支配する)
・蒸気圧(乾燥を促進する環境設定)
・ラプラス力制御 (塗膜の凝集性の発現)
・乾燥装置の最適化の要因 (均熱域、乾燥曲線とは)
・加熱乾燥、赤外線乾燥(比熱、熱容量、熱伝導)
・塗膜の応力発現と制御(剥離抑制のポイント)
・塗膜内の乾燥/凝集分布の解析(DPAT法、表面硬化層)
5.トラブル対策(発生原因を特定し解決策を見極める)
・ピンホールとはじきの抑制方法(濡れ不良、拡張濡れ法)
・乾燥ムラの発生メカニズム (色むら/端面盛り上がり)
・顔料の偏析機構(カラーフィルター対策)
・膜剥離の防止法 (ポップアップ・ガス発生)
・多層膜のクラック抑制 (乾燥応力ミスマッチ)
・クレイズの発生メカニズム (環境応力亀裂、溶液の浸透)
・フラクタル粘性指状(VF)変形とは(界面付着性の劣化)
・ナノ微粒子の乾燥メカニズム(ウォータマークの形成)
・ドライフィルムを用いたメッキ不良(界面浸透)
・フイルムの粘着性と剥離機構(応力集中と緩和機構)
6.塗膜トラブルQ&A事例(トラブルの最短解決ノウハウ)
7.質疑応答:日頃の開発・トラブル相談に個別に応じます。