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基礎技術解説リソグラフィ

溶液中の塗膜パターンの付着力

AFMを用いた物性解析の特長の一つとして、溶液中における固体の付着力解析がある。これにより、ウェットプロセス中での付着挙動解析が可能となり、この手法の適用範囲が大幅に広がる。レジストパターンの剥離は、パターン現像プロセスの純水リンス中で生じていることから、溶液中での付着力測定が必要になる。

溶液中でのレジストパターンの付着力解析
溶液中でのレジストパターンの付着力解析

そこで、上図にあるように、AFMを用いて、純水中でのレジストパターンの付着力解析を行う。測定環境が液体中であること以外は、同様の操作でパターン剥離を行う。結果として、下表にあるように、純水中のパターン剥離荷重は、大気中に比べて約1/30に低下する。これは、レジストと基板界面への純水の浸透力によって、パターン剥離が促進されたためである。溶液の浸透エネルギーは、付着エネルギーよりも1割程度低い値であり、純水中ではレジストパターンは辛うじて基板に付着している。この状態で探針から荷重を加えると、レジストパターンは容易に基板から剥離する。このように、AFMを用いることで、様々な環境における微小凝集体の付着挙動をin-situで定量的に解析できる。

AFMを用いて測定した大気および純水中におけるレジストパターンの付着力
AFMを用いて測定した大気および純水中におけるレジストパターンの付着力

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